東アジアの近現代史をテーマに、日中韓の研究者らが意見交換を重ね、共同で執筆した歴史教材を出版しようと、版元の「高文研」(東京)がクラウドファンディングに取り組んでいる。早ければ今夏にも各国での出版を目指している。高文研は「他国に生きる人々の考え方を知ることが信頼関係を発展させる第一歩になる」としている。
出版を予定しているのは「新・未来をひらく歴史」。東アジアの近代化や第2次世界大戦、戦後の国際関係を切り口にしながら、章節ごとに「歴史認識の対立をどのように和解につなげるか」などの問いを設け、読者に多面的な思考を促すよう工夫したという。
執筆には、3カ国の大学教授や研究員、市民ら計約40人が関わった。
新版は、ジェンダーや教育などの課題にも焦点を当てた。編集に際し、史実に対する認識の違いから議論が紛糾したこともあったが、関連史料を提供し合うなどして、記述や構成の検討を続けたという。
出版費用の一部を募るクラウドファンディングは6月10日まで行い、目標金額を100万円に設定。問い合わせは高文研、電話03(3295)3415。