造船会社での懇談後、記者の質問に答える石破首相=25日午後、京都府舞鶴市(代表撮影)

 石破茂首相は25日、トランプ米政権の高関税政策を巡る日米交渉に関連し、造船分野での協力に意欲を示した。砕氷船の技術を提供する可能性にも言及。6月の先進7カ国首脳会議(G7サミット)を念頭に置きながら、今後さらに議論を詰める意向を明らかにした。訪問先の京都府舞鶴市で記者団の質問に答えた。

 首相は米国が造船業の復活を目指し、米軍艦の修理先に関心を持っているとも指摘し「造船業の分野で、日本政府としても支援していきたい」と強調した。

 砕氷船については「日本の技術にかなり優位性がある」とした上で「北極航路も含め、砕氷船が協力の一つのポイントになる」と語った。

 北極圏は、天然資源や新航路開発を巡る米国や中国、ロシアの争いが激化している。トランプ大統領が安全保障を理由に領有したいとの考えを示しているデンマーク自治領グリーンランドの大部分がある。

 造船分野は中国が世界シェアの多くを占めており、韓国や日本が追っている。外交筋によると、これまでの米国との関税交渉では、日本だけでなく韓国も造船分野の協力を提案している。