福島第1原発の10棟目のがれき貯蔵庫の内部=4月(東京電力提供)

 東京電力は、福島第1原発の廃炉作業で出たがれきを一時保管する10棟目の貯蔵庫の本格運用を始めた。容量は約8万立方メートルで、これまでの貯蔵庫で最大。作業員の被ばく低減や放射性物質の飛散防止などのため、屋外で保管する金属やコンクリートなどのがれきを順次、貯蔵庫に移している。

 4月末時点で屋外のがれきは約37万立方メートル。屋内に移したものは約4万立方メートルにとどまる。東電は2028年度までに屋外保管をなくす方針だが、最終的な処分方法は決まっていない。

 10棟目は三つの建物で構成される。容量が各約2万立方メートルの一つ目と二つ目は、既に24年から運用を開始。三つ目は横幅50メートル、奥行き180メートル、高さ20メートルで約4万立方メートルを収納できる。今年5月から、全体としての運用が始まった。表面の放射線量が毎時1ミリシーベルト以下のがれきを受け入れる。

 がれきはコンクリートを砕いたり、金属を切断したりして容量を少なくした上で、高さ約1・3メートルの専用コンテナに収めて保管する。