イランのアラグチ外相(左)、米国のウィットコフ中東担当特使(AP=共同)

 【テヘラン共同】イランのアラグチ外相は5月31日、同国の核問題を巡り、トランプ米政権からの合意に向けた提案を「受け取った」とXで明らかにした。内容は不明。米イラン両政府の高官協議を仲介するオマーンのバドル外相が同日、イランを訪れ、提案を伝達した。アラグチ氏は「イランの国益に沿った形で適切に返答する」と訴えた。

 トランプ大統領は5月16日、イランに提案を伝達したと表明。早期の検討を要求し「(そうでなければ)悪いことが起きる」と説明していた。

 米イラン両政府は4月中旬以降、核問題を巡る高官協議を5回実施した。外交筋によると、米国がウラン濃縮活動の完全停止を正式に要求したのに対し、平和利用目的の核開発能力の維持を訴えるイランは猛反発。双方が協議を続けると主張しているが、次回の日程は決まっていない。

 イランと敵対するイスラエルは、米イランの協議に不満を示し、早期のイラン核施設攻撃をトランプ氏に提案したと報じられている。トランプ氏は5月28日、イスラエルのネタニヤフ首相にイラン攻撃を自制するよう求めたと明らかにした。