厚生労働省

 新薬の安全性や有効性を確かめる臨床試験(治験)への参加を希望する患者が、関連する情報に容易にアクセスできるよう、厚生労働省が現在の規制の在り方を見直す方針を固めたことが3日、関係者への取材で分かった。本年度中に具体的な見直し方法を決める。

 国の承認を受ける前の医薬品の広告は、医薬品医療機器法で禁止されている。

 厚労省は、2023年に出した通知で「治験に係る情報を求める者のみ」に対する情報提供は広告に当たらないとの見解を示している。しかし「求める者」の範囲が明確でなく、法に触れることを懸念する製薬企業が情報提供を過度に控えたり、患者団体のメンバーが企業に依頼して得た情報を団体内で共有しにくかったりするといった問題が指摘されていた。

 現在の規制には、治験で予想していた効果が確認されない場合もあるため、承認前に誤った情報が広がるのを防ぐという狙いもある。規制の趣旨は変えないが、今後運用の見直しによって、企業のホームページの見つけやすい場所に治験の情報を掲載できるようになる可能性がある。