7日、米ワシントン中心部で行われたLGBTパレード(共同)

 【ワシントン共同】米首都ワシントン中心部で7日、LGBTQら性的少数者の権利向上を訴える大規模なパレード「ワールドプライド」が実施された。政府が認める性別は「男性と女性だけ」だとするトランプ政権のお膝元での開催。参加者には、多様性推進の取り組みを否定する政権の姿勢に抗議する人もいた。

 国際的なLGBTQ団体がほぼ数年に1回のペースで、世界各地の都市で開催しており、主催者側によると、今年は数十万人が参加。ホワイトハウス近くの大通りを、音楽を鳴らしたり、旗を振ったりしながら行進した。多様性を象徴する虹色にラッピングした公共バスも登場した。

 トランプ大統領は1月の就任演説で、バイデン前政権が取り組んだ多様性・公平性・包括性(DEI)重視の政策を撤廃すると表明。米軍が心と体の性が異なるトランスジェンダーの兵士排除を始めるなど、性的少数者の権利擁護が後退している。

 欧米メディアによると、入国審査でトランスジェンダーであることを問題視されるのではないかと不安を感じ、参加を見送った外国人も多いという。