モリアオガエルの繁殖地として国の天然記念物に指定されている、福島県川内村の平伏沼が恋の季節を迎えている。9日には水面に張り出したミズナラなどの広葉樹に、泡状の卵を産み付ける様子が見られた。産卵のピークは6月中旬以降。
標高842メートルの平伏山山頂にある面積12アールの沼に「コロコロ、グッグッグ」とカエルの鳴き声が響く。高さ数メートルの枝に登った雌に雄が抱きつき、ソフトボール大の卵塊を作っていた。
監視員の三瓶初美さんによると、多い年には100個以上の卵が産み付けられるが、今期確認されたのは9個にとどまる。「産卵が遅れているが、水が豊富なため、今後に期待したい」と話した。