政府は10日、経営が厳しい中小規模の書店の振興策をまとめた「書店活性化プラン」を公表した。書店経営の負担削減につなげるため、本の売れ行きや在庫数を効率的に管理できる最新技術の普及や、書店から出版社などへの返品抑制を打ち出した。店舗数の落ち込みが続く中、政府は街の書店を「地域の重要な文化拠点」と位置付け、振興策を通じて減少を食い止めたい考えだ。
国内で刊行される出版物は1日当たり約200点に上り、書店では在庫管理の負担が重い。政府は今回、本にしおりやシールの形でICタグを付け、無線で一斉に読み取る最新技術「RFID」を普及させる方針を示した。1冊ずつバーコードを読み取る必要がなくなり、書店の手間が大きく減る。専用機器の導入費用を補助する方向だ。
返品も減らす。現在は書店が配送費用を負担すれば返品が可能で、多様な出版物を扱いやすい半面、返品率は書籍で3割超、雑誌で4割超と負担が重くなっている。出版業界の関係者で構成する研究会を2025年度内に立ち上げる。