経営支援を手がけるKPMGコンサルティング(東京)は12日までに、外部からの攻撃や内部不正による情報流出といったサイバー被害の調査結果を公表した。回答した国内企業のうち、44%は年間の被害額が1千万円以上だった。同社は生成人工知能(AI)を悪用し、海外から自然な日本語の詐欺メールを送るなど、サイバー攻撃が巧妙化していると指摘する。
調査は2024年8〜10月、国内の上場企業と売上高400億円以上の未上場企業を対象に行った。125社から有効な回答があり、うち25社が過去1年間の被害額について答えた。同様の23年の調査では被害が1千万円以上の企業の割合は30%だった。
KPMGコンサルティングの澤田智輝パートナーによると、攻撃者が企業のメールサーバーに不正アクセスして経理などの担当者を事前に把握し、金を振り込ませる事例があった。
AIを用いたツールで、セキュリティーの弱い部分を自動的に調べることもできるという。澤田氏は「無施錠の箇所をすぐに見つけだし住人の特徴まで調べ上げるイメージだ」と説明した。