原子力規制委員会の杉山智之委員は12日、東京電力福島第1原発を訪れ、処理水の海洋放出で空になったタンクの解体作業を視察した。終了後の取材で、解体により溶融核燃料(デブリ)の取り出し関連施設を建てる敷地が確保できることを評価する一方、「解体したタンクが大量の廃棄物となり、すごく悩ましい」と今後の課題になるとの見方を示した。
第1原発ではデブリに触れた水が汚染水となり、東電はトリチウム以外の放射性物質のほとんどを除去した処理水として、2023年に海洋放出を開始。今年2月、千基以上のタンクのうち空になった12基から解体に着手した。解体後は切断してコンテナに収め、敷地内で一時保管する。