政府は13日、2024年度版のエネルギー白書を閣議決定した。ウクライナ情勢の緊迫長期化やトランプ米政権によるエネルギー政策の転換は「日本がエネルギー安定供給上の脆弱性を抱えていることを浮き彫りにした」と指摘。原発や太陽光発電といった次世代技術の活用を推進し、脱炭素化と安定供給を両立する必要性を強調した。
ロシアによるウクライナ侵攻を契機に化石燃料の需給バランスが崩れ、日本でも電気・ガス代やガソリン価格が高止まりしている。トランプ大統領が脱炭素政策を転換したことにも触れ「安定供給や価格に影響を与えるリスクが顕在化している」と分析した。
既存原発より安全性や燃料の燃焼効率が高い「次世代革新炉」の実用化に向けて取り組むと明記。薄く折り曲げられる「ペロブスカイト太陽電池」について「世界に引けを取らない規模とスピードで投資を進めることが不可欠だ」とした。
東京電力福島第1原発事故に関しては、溶融核燃料の取り出しや処理水の処分を着実に進めることで「復興に向けた道筋をこれまで以上に明確にしていく」と記した。