STEM(科学・技術・工学・数学)分野の学会などが加盟する「男女共同参画学協会連絡会」は16日、選択的夫婦別姓について会員の研究者らに行ったアンケート結果を発表した。法律婚をした女性で、改姓し旧姓を通称使用している人は7割に上り、うち8割が学会参加の事務手続きや論文発表名の表記など、「通称使用のトラブルがある」と答えた。

 アンケートは4〜5月、会員を対象にインターネット上で実施。有効回答のうち男性は5094人、女性2344人。選択的夫婦別姓制度には男性の60・6%、女性82・7%が賛成した。

 法律婚をした人のうち、改姓・通称使用は女性で72・6%と多かったが、男性は4・6%にとどまった。通称使用でのトラブルが一つ以上あるとしたのは女性82・4%、男性52・6%だった。

 自由記入欄には切実な声が並ぶ。ある回答者は改姓後、研究者として積み重ねたキャリアとの連続性を失ったとし「別人のような感覚に苦しんでいる。論文検索でも旧姓と現姓が分断され、研究の一貫性を示すのに苦労している」とつづった。