外務省は18日、イスラエルとイランの交戦激化を受け、イランからの退避を希望する邦人と家族計約90人について、19日にもバスで隣国に移動させる方向で調整に入った。首都テヘランを出発し、北側で国境を接する国に向かう予定。航空自衛隊輸送機を自衛隊活動拠点があるアフリカ東部ジブチに派遣し待機させる案も浮上した。中谷元・防衛相が近く表明し、準備に着手する見通しだ。
陸路での退避は空港が閉鎖されているためで、必要に応じてバスの追加手配も検討する。イスラエルからも邦人を陸路で19日にも隣国ヨルダンに退避させる準備を進めている。空自機の待機について、政府関係者は「空港が使用可能になった際、輸送手段の選択肢にするため」と説明した。
外務省によると、イランの在留邦人は約280人。同省は17日、イラン全土の危険情報を最高度の「レベル4」(退避勧告)に引き上げた。林芳正官房長官は会見で、在留邦人を安全な場所へ退避させる支援を実施したと説明。イラン国外への退避については「さまざまな選択肢の検討を進めている」と述べていた。