日本製鉄は18日、米鉄鋼大手USスチールの買収手続きが完了したと発表した。141億ドル(約2兆円)を投じて株式を100%取得し、完全子会社にした。両社は既に米政府と国家安全保障協定を締結しており、USスチールは、経営上の重要事項に拒否権がある黄金株1株を米政府に発行する。日鉄の森高弘副会長がUSスチール会長を兼任する。日鉄は「米国の安全保障を守りながら、経営の自由度と採算性を確保することが可能になる」と強調した。
日鉄の橋本英二会長は買収完了を受け「大規模投資、先進技術の導入、経営陣と社員の努力により、世界一の鉄鋼メーカーの地位を確かなものにしていく」とコメントした。橋本氏は19日午前、東京都内で記者会見を開く。
日鉄によると、米政府との協定で2028年までにUSスチールに約110億ドルを投資し、最高経営責任者(CEO)を含む経営中枢メンバーを米国籍とすること、米国内の生産維持などで合意した。