太平洋戦争末期に900人以上が亡くなった福岡大空襲から80年となった19日、空襲や引き揚げなどで命を落とした戦没者らの追悼式が福岡市役所で営まれた。シベリア抑留で父を亡くした市遺族会連合会の中村博幸会長(86)は「戦争の記憶を風化させることなく、平和がいかに尊いものであるかを次の世代に強く訴えていく」と誓った。
中村さんは幼少期を朝鮮や満州で過ごした。終戦が近づいてきた頃、ソ連兵が日本人の住むエリアに突然窓ガラスを割って入ってきて、マンドリン銃で小突き回していたのが強く印象に残っているという。
式典では、参列した遺族ら約110人が黙とうをささげ犠牲者を悼んだ。