【ワシントン共同】米紙ウォールストリート・ジャーナル電子版は20日、中国の工場で使用する米国製の半導体製造装置の輸送に関し、米政府が許可を一括免除する特例措置を撤回する考えを大手半導体企業に伝えたと報じた。米商務省が、重要技術の対中輸出に関する取り締まり強化の一環と説明したとしている。

 米中両国は今月、レアアース(希土類)などの輸出規制の緩和を巡るロンドンでの閣僚級の貿易協議で、5月のスイス会合で合意した内容を履行する枠組みで一致したばかり。半導体規制が強化されれば、再び貿易摩擦が激化する恐れがある。ただ、ロイター通信はホワイトハウス関係者の話として、規制強化はロンドンでの一致が破綻した場合に備えたものだとしている。

 ウォールストリート・ジャーナルによると、米政府は韓国のサムスン電子やSKハイニックス、台湾積体電路製造(TSMC)に特例措置を取り消す意向を伝えた。半導体メーカーの中国での事業展開が難しくなるため、米国製から日本やオランダの企業の製造装置に切り替える可能性があるという。