新潟県の東京電力柏崎刈羽原発

 東京電力が福島第1原発事故後、同社として初となる再稼働を目指していた新潟県の柏崎刈羽原発7号機を先送りし、6号機を優先する方針を近く公表することが21日、複数の関係者への取材で分かった。7号機は昨年6月に技術的な準備を整えたが、地元同意が見通せず、今夏の再稼働が困難となった。

 7号機は、新規制基準で設置が義務付けられたテロ対策施設の建設工事完了が2029年8月に遅れている。そのため今夏に再稼働しても設置期限の今年10月以降は停止する。

 6号機は今年6月10日に核燃料の装填作業を始め、21日に完了。8月にも技術的な準備を整える方針で、テロ対策施設の設置期限の29年9月まで運転が可能となる。

 東電と国は電力需要が高まる今夏以降、7号機を再稼働させた上で、さらに6号機も動かすことで常に1基が運転している状況を目指していた。

 6号機の再稼働にも自治体の同意は必要で、花角英世知事は態度を明らかにしていない。県民の意向を見極める必要があるとし、市町村長との懇談会を今年5月から始めた。