東京都議選の選挙戦最終日、候補者らの街頭演説に集まった有権者たち=21日午後、都内(共同通信社ヘリから)

 与野党は21日、7月の参院選に向けた論戦を本格化させた。自民党総裁の石破茂首相は前哨戦に位置付ける東京都議選の応援に入り、公約に入れた物価高対策としての現金給付の意義を強調。一方、立憲民主党の野田佳彦代表は「食料品の消費税率を時限的に0%にする」と主張した。日本維新の会も自民公約を批判しており、選挙戦の争点として顕在化した。

 首相は都内の街頭演説で、野党各党が掲げる消費税減税は時間がかかるとして「今困っている人たちにすぐに役立つ政策が給付金だ」と訴えた。自民の森山裕幹事長は鹿児島県南さつま市で講演し「ポピュリズムの政治をしてはいけない。責任ある政治をさせてほしい」と呼びかけた。

 野田氏は都議選候補の応援で、食料品の相次ぐ値上げに触れ「思い切って消費税率を8%から0%にするのが有効な政策だ」と強調。中東情勢の緊迫化によって「原油価格は間違いなく高騰する」とも指摘し、ガソリン税の暫定税率廃止を決断するべきだとした。

 日本維新の会の吉村洋文代表は、国民一律2万円給付の自民公約を非難した。国民民主党の玉木雄一郎代表は「国民の手取りを増やしたい」と話した。