新潟県柏崎市で講演する原子力規制委員会の伴信彦委員=22日午前

 原子力規制委員会の伴信彦委員は22日、東京電力柏崎刈羽原発が立地する新潟県柏崎市で講演し「原発事故は起こりうる前提で考えてほしい。事故後に何が起こるのか、想像力が重要だ」と住民に訴えた。東電は柏崎刈羽6、7号機の再稼働を目指しており、燃料の装填が完了。地元同意が焦点となっている。

 規制委で事故時の被ばく対策を担当する伴氏は、東京電力福島第1原発事故では無理な避難で住民が死亡したことを挙げ「避難や移転は最小限にする必要がある」と指摘。屋内退避が被ばく防護に有効で、規制委が検討を進める退避の解除条件や、除雪など一時外出できる事例を説明した。

 住民からは「退避中、外の情報が伝わらない不安がある」などの質問があった。伴氏は「何が起きているか的確に発信することが大事。国から直接伝えられればよいが課題がある」と応じた。

 講演会を主催した柏崎市によると、同市や刈羽村、新潟市などから約560人が参加した。

 柏崎刈羽6、7号機は2017年12月に規制委の審査に合格した。