金融庁が、地方銀行など地域金融機関に公的資金を注入する制度を巡り、大規模災害時の申請は「経営責任を問わない」などと規定する方向で検討していることが23日、分かった。これまでは災害発生後にその都度特例を設けて対応してきたが、発災後、すぐ制度を適用できるよう恒久化し、地域を支える金融機関の融資機能が滞ることを防ぐ。広範囲で大きな被害が想定される南海トラフ巨大地震など将来のリスクに備える。
金融庁は地域金融機関の財務を強化するため、公的資金の注入制度を定める金融機能強化法の改正を検討している。2026年の通常国会に提出する方向の改正案に、特例の恒久化を盛り込むことを目指す。
25日に開く、首相の諮問機関である金融審議会で議論する。年内にも制度の詳細を固め、政府が地域金融力の発揮を促す「地域金融力強化プラン」に盛り込む方針だ。
特例は東日本大震災や新型コロナウイルス禍の際に導入した。公的資金注入時に通常は設ける収益性や効率性の目標を求めず、経営責任や経営体制の見直しも求めない内容だ。