既存マスメディアとソーシャルメディアの関係性や行く末について議論する、公益財団法人「新聞通信調査会」主催のシンポジウム「戦後80年とメディア・分断する情報伝達の行方」が24日、東京都内で開かれた。
作家の五木寛之さんが新聞との関わりについて基調講演し「戦後、朝鮮半島から引き揚げて、入学した福岡の高校で新聞部を創設した」と回想。業界紙での取材経験や新聞で連載小説を執筆する意義を語り「夕刊紙では約50年、コラムの連載を続けている。1日も休まず書き続けることに作家生活の意味がある」と話した。
また、メディアの現状について「かつて、新聞は社会の木鐸と言われたが、これから交流サイト(SNS)などの新しいメディアと共存していくのか競合していくのか、あるいは退いていくのか。ジャーナリズムは非常に難しいところに来ている」と述べた。
国際ジャーナリストの堤未果さんは「米国では個々のジャーナリストが記事の閲覧数やスピード、量で評価され、危機的状況だ」と報告した。