米連邦議会で記者会見する下院民主党トップのジェフリーズ院内総務=24日、ワシントン(共同)

 【ワシントン共同】米連邦最高裁が人工妊娠中絶を憲法上の権利と認めた「ロー対ウェード」判決を覆して24日で3年となった。女性の権利擁護団体は声明を発表し、保守的な南部の州を中心に中絶の規制強化が常態化しているとして危機感を表明した。来年11月の中間選挙をにらみ、中絶問題を巡る与野党の攻防も激化している。

 全米女性機構は24日の声明で、2022年の判決を、最高裁が女性の「基本的権利を奪った史上初の判断」だったと改めて非難した。保守的なトランプ共和党政権の下で、中絶の規制強化の動きは勢いを増していると指摘。規制が強化された保守的な州では、多くの女性が中絶を求めて別の州に移動を余儀なくされていると懸念を示した。

 最高裁判断を受け、かつて全50州で原則可能だった中絶の状況は激変。ニューヨーク・タイムズ紙によると、現在19州が厳しく規制し、うち南部テキサスなど12州はほぼ全面的に禁止。多くは強姦や近親相姦による妊娠も例外としていない。