北大西洋条約機構(NATO)の首脳会議の期間中に開かれた記者会見で発言するルッテ事務総長=25日、オランダ・ハーグ(ゲッティ=共同)

 【ハーグ共同】北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長は25日、首脳会議終了後に記者会見し、ロシアの侵攻を受けるウクライナについて「NATO加盟に向けた不可逆的な道を支援し続ける」と言明した。

 首脳宣言にはウクライナ支援継続が盛り込まれた一方、ロシアとの和平仲介に乗り出した米国への配慮から、加盟問題は触れられていない。ルッテ氏は記者会見であえて強調することで、NATOの方針に変化がないことを示した。

 首脳会議では、軍関連インフラも含めた加盟国の防衛支出を国内総生産(GDP)比5%にすることで合意。ルッテ氏は加盟国が負担を分かち合うことは米国が数十年間求めてきたことで「同盟がより安定し、公平になる」と成果を誇示した。日本などで進む防衛費増の議論への影響については「助言する立場にはない」と回答を避けた。

 トランプ氏はNATOに懐疑的だが、ルッテ氏はNATOの根幹である集団防衛を定めた同条約第5条について「米国は完全に順守する」とし、NATOは盤石だと主張した。