銅などの金属が使用されているエアコン室外機の盗難が多発しているとして、警察庁は26日、中古品の買い取り業者に対し、室外機を買い取る際の本人確認強化を義務付ける方針を公表した。従来は業者の負担軽減のため、総額1万円未満の取引では本人確認を不要としていたが、金額にかかわらず必須とする。パブリックコメント(意見公募)を経て規則を改正し、10月1日に施行する。
本人確認が必要となるのは、エアコンや電気温水器の室外機、電線、側溝のふたとして使われる金属製グレーチング。近年、建設現場や民家などで盗難が急増している。2024年の室外機盗難被害の認知件数は3397件で、20年の255件から約13倍に増えた。
こうした現状を踏まえ、警察庁は古物営業法の施行規則を見直し、少額取引でも住所や氏名などが分かる身分証明書を提示させて本人確認を実施し、取引について帳簿に記載するよう義務付ける。業者側はこれらの義務に違反した場合、6月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金が科される。