【ワシントン、テヘラン共同】レビット米大統領報道官は26日の記者会見で、米軍の攻撃前にイランの核施設で備蓄されていた濃縮ウランが別の場所に移された兆候は「なかった」と述べ、事前に運び出されたとの見方を否定した。米情報機関が「核施設を注意深く監視していた」と説明した。米イランの核協議再開が模索される中、核開発を巡る両国の認識の溝は埋まっていない。
英紙フィナンシャル・タイムズは26日、イランが備蓄していた濃縮ウランは中部フォルドゥの主要施設だけでなく、複数の施設に分散され、おおむね「無傷」だとする欧州当局者の初期分析を報じた。イランの最高指導者ハメネイ師は26日公開の動画で、米国の攻撃は「大した成果は上げられなかった」と訴えた。
ヘグセス米国防長官は26日の会見で、濃縮ウランについて「移動を示す情報分析には触れていない」と疑問視した。トランプ米大統領は交流サイト(SNS)に「持ち出すには時間がかかり、危険な上、非常に重くて困難だ」と投稿した。