胃腸薬「正露丸」の主成分「木クレオソート」が、マウスの胃の中にいた寄生虫アニサキスの幼虫の動きを抑えた―。そんな研究結果を、正露丸を製造販売する大幸薬品(大阪市西区)と国立感染症研究所のチームが日本寄生虫学会の国際専門誌に発表した。
チームによると、動物の体内で木クレオソートのアニサキスに対する効果を示したのは初めて。幼虫に溶液を直接かけると運動が抑制されるとの研究はあったが、生体内での効果を調べる適切な実験法が確立されていなかったという。
記者会見した感染研の下川周子室長は「新たな治療法開発の一歩になる重要な知見だ」と話した。