3Dプリントで作った「実物大心臓モデル」=2日午後、大阪府吹田市

 国立循環器病研究センター(大阪府吹田市)などは2日、子どもの心臓病患者の画像情報を基に3Dプリントで作る「実物大心臓モデル」が保険適用になったと発表した。対象は15歳未満の患者。難易度が高い子どもの先天性心疾患の手術で事前準備に活用でき、適切な手術方法の選択や時間短縮が期待される。保険適用となったのは6月で、同センターは「普及を目指したい」とした。

 研究開発を続けてきた同センターと医療機器メーカーのクロスメディカル(京都市)が同日、記者会見した。

 センターなどによると、生まれつき心臓の形に異常がある先天性心疾患は、約100人に1人の割合で発症する。ただ子どもの心臓は小さい上に病状には個人差も大きい。通常は画像を基に手術手順などを検討するが、手術開始後に想定と異なる状態だったと判明することもあるという。

 画像を基に内側と外側に正確な鋳型を作製。樹脂を流すことによってオーダーメードを実現した。治験では、当初予定していた手術方法を事前変更できた例があるなど、治療に有効であることが示されたという。