アフリカを中心に流行しているエムポックス(サル痘)について、血液検査で発症時の患者の血中ウイルス量を測定し、病変が消失し他人への感染リスクが下がるまでの期間を予測する指標を開発したと、名古屋大や愛媛大などのチームが3日付米医学誌に発表した。適切な隔離期間の設定や治療戦略に役立つと期待される。
チームの岩見真吾・名古屋大教授(数理科学)は「症状が長く残る患者を予測できれば効果的な隔離につながり、感染者数を抑えることができる」と話している。
エムポックスはウイルスによる感染症で、アフリカから世界的に広がり、2024年8月に世界保健機関(WHO)が「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言した。
チームは07〜11年に米陸軍感染症研究所が集積したコンゴ(旧ザイール)の感染者約150人の血液や皮膚病変などのデータを人工知能(AI)で解析。病変出現時の血中ウイルス量が一定値より多いグループは、少ないグループよりも病変が消失するまでの期間が平均8日長いことが判明した。