【ロンドン共同】英国で14年ぶりに労働党政権が発足してから5日で1年。総選挙で公約した国民生活の再建や不法移民減少などの「変革」の実現には至らず、保守党に大勝した勢いは既にない。労働党内の不和も表面化。スターマー首相は窮地に立たされている。
物価高に効果的な対策を取れず、4月のインフレ率は3・5%とEU平均の2・4%を大きく上回る。一方、英仏海峡を密航する今年の渡航者は既に2万人を超えた。
財源確保のため給付金縮小や増税を公表するたびに国民の非難を集めてきた。年間約50億ポンド(約9800億円)の節減になるとした長期療養者や障害者に対する生活支援費削減を巡っては、6月に党議員100人以上が造反。案は大規模修正を強いられた。
調査会社ユーガブによると、6月末の政権支持率は14%まで下落した。さらに同社が6月下旬に公表した「明日総選挙があった場合」の各党の獲得議席予想では、リフォームUKが下院(定数650)で271議席を得て第1党となり、現在400超の労働党は178に減らすとされた。