【パリ共同】パリ市の中心を流れるセーヌ川に設けられた遊泳場で5日、一般市民の遊泳が解禁された。水質悪化などで1923年に禁止になって以来、約100年ぶり。昨年のパリ五輪・パラリンピックではトライアスロンを実施。水質向上への国や市の努力が結実した。五輪・パラのレガシー(遺産)の一つとなりそうだ。
遊泳場はサンルイ島付近など計3カ所。それぞれ川岸に幅60〜70メートルの区切りを設け、8月末まで毎日無料で開放する。安全のため監視員を置き、3カ所以外では今後も遊泳は厳禁だ。流れが穏やかなことや水質に問題がないこと、良好な天気であることを毎日確認し、臨時休業の場合はウェブサイトで市民に知らせる。
サンルイ島付近の遊泳場では入場のための長蛇の列ができた。開始3時間前から並んだというパリ郊外の男性バンジャマン・フラバルさん(24)は「歴史的な日。水温もちょうど良くて最高だった。パリの誇りだ」と笑顔で話した。
かつては市民らが水浴びを楽しんでいたセーヌ川は、水質悪化や船の往来の増加を理由に遊泳禁止になった。