海底ケーブルの累計敷設距離におけるシェア

 経済産業省は、経済安全保障の強化に向け、国際通信に使われる海底ケーブルを重要技術に指定した。技術開発の支援だけでなく、需給が逼迫しているケーブル敷設船の保有や海外での事業展開など多方面で支える。海底ケーブルは日本の国際通信の99%を担う重要インフラだが、中国企業も世界シェアで迫ってきており、競争力を高める。

 海底ケーブルは世界中で約500本、総延長は約150万キロに上る。敷設から25年程度で寿命を迎えるため、多くは17年前後で取り換えるという。2011〜24年の累計敷設距離で見た場合、世界シェアの大半はフランスや米国、日本の大手3社が分け合っている。日本勢のメーカーはNECで21%を占め、保有する技術は世界的にも優れているとされる。ただ中国勢が8%まで拡大し、競争上の脅威とみられている。

 NECは1964年に海底ケーブル事業に参入。太平洋横断ケーブルの敷設など実績を重ね、2023年には累計40万キロ、地球10周分の敷設を達成した。全ての関連機器は宮城県や山梨県、福岡県の3拠点で製造している。