【北京共同】日中戦争の発端となった1937年の盧溝橋事件から88年となった7日、中国北京市郊外の中国人民抗日戦争記念館で式典が開かれた。最高指導部メンバーで共産党序列5位の蔡奇・党政治局常務委員が演説し「党は最前線で勇敢に戦い、抗日戦争を率いた」と功績を主張した。新華社が伝えた。
盧溝橋事件の記念式典に最高指導部メンバーが出席するのは2022年以来、3年ぶり。中国は抗日戦争勝利80年に当たる今年、日中戦争の歴史に関する情報発信を強化し「戦勝国」としての立場をアピールする構えで、中国で対日感情の悪化が懸念されている。
蔡氏は「日本軍国主義が盧溝橋事件を意図的に引き起こし、中国侵略戦争を発動した」と指摘。「中国人民の偉大な勝利」を強調した上で、習近平国家主席が掲げる米欧と異なる発展モデル「中国式現代化」や「民族復興の偉業」実現に向け奮闘するよう訴えた。
式典には王毅外相や軍幹部らが出席。失脚の観測が出ている副主席、何衛東氏の出席は伝えられなかった。