樋口雄一甲府市長

 長時間勤務により死亡した甲府市職員の遺族に市が賠償金約7千万円を支払ったことを巡り、樋口雄一市長が職員の勤務時間の把握など管理を怠ったとして、市民3人が甲府地裁に、市長に賠償金を負担させるよう市に求める住民訴訟を起こすことが7日、分かった。原告側の代理人弁護士によると、公務員の過労死で首長の責任を問う住民訴訟は全国初という。

 市職員の向山敦治さん=当時(42)=は2020年に自殺。市に賠償を命じた24年10月の地裁判決に基づき、市は損害賠償金と遅延損害金計約7180万円を支払った。

 原告側は、市長が長時間労働を是正する義務を果たしていれば、死亡は防げたと指摘した。