【ワシントン共同】トランプ米大統領がウクライナに対し、約1週間前に一部停止が判明したばかりの兵器供給を再開する方針を示した。米メディアによると、政権内で調整不足のまま国防総省が停止を主導したとみられる。「敵失」に乗じる形で攻勢を強めたロシアのプーチン大統領への不満も決め手になったもようだ。
軍の在庫急減を理由に、米政権が防空ミサイルや精密誘導弾の供給を一部停止したと報じられたのは今月1日。NBCテレビによると、米軍内部の分析では在庫量が減ったものの、危機的水準ではないとされていた。
停止措置はヘグセス国防長官が「一方的」に決めたという。今年2月と5月にも停止を試みたが、議会の猛反対ですぐに覆ったとされる。今回は対中強硬派でインド太平洋地域への戦力配備を重視するコルビー政策担当国防次官も、ヘグセス氏を後押しした。
事前の説明はなく「報道で国務省も議会も驚いた」(ウォールストリート・ジャーナル紙)。欧州で既にトラックに積まれ、ウクライナに運搬されようとしていた兵器も対象になったといい、混乱が広がった。