【台北共同】台湾で中国軍の攻撃に備える年に1度の定例軍事演習「漢光41号」が9日、始まった。これまでで最長の10日間にわたり、昼夜を通して実施される。期間中、市民を対象に防空などを訓練する「都市強靱性演習」も行う。台湾軍当局者は、軍民一体で「国家(台湾)防衛の決意を示す」と説明している。
中国国防省報道官は8日「どのような演習を行おうと、祖国統一という歴史の大勢は阻止できない」と述べ、頼清徳政権をけん制した。
今回の演習では、武力攻撃に至らない「グレーゾーン」のかく乱行為への対処も追加。その後、中国軍の行動がエスカレートすることを想定し、海上での応戦や、上陸阻止作戦、陸上での持久作戦を検証する。
演習には2万人以上の予備役も動員。初日の9日は招集した予備役に対し、臨戦態勢をつくる訓練などが実施された。
米国から調達した高機動ロケット砲システム「ハイマース」の部隊なども参加するが、台湾本島では実弾発射は予定していない。
都市強靱性演習は地域ごとに15〜18日実施する。