7月1日の岐阜県議会定例会一般質問。江崎禎英知事は、LRT(次世代型路面電車システム)の導入の検討に着手したことを明らかにしました。岐阜市を中心とする岐阜圏域のまちづくりの目玉との位置付けです。しかし、岐阜は20年前、既存の路面電車網を丸々なくすという選択をした地域です。一度失われた未来。再び夢を見ることはできるのでしょうか?(岐阜新聞デジタル独自記事です)
江崎知事が答弁で言及した想定は、羽島市の東海道新幹線岐阜羽島駅や名神高速道路岐阜羽島インターチェンジと、岐阜市の岐阜駅、東海環状道岐阜ICなどをつなぐもの。岐阜市中心部の観光資源についても触れています。

軌道を県道に通すなどコスト抑制を図りつつ、10年後の運行を目標にしているといいます。
詳しくは、岐阜新聞デジタルの記事をご覧ください。県議会委員会での質疑や、関連2市長の反応なども盛り込まれています。
◎岐阜羽島駅や岐阜駅つなぐLRT導入を検討 岐阜県が着手 次世代型路面電車システム
■■■ そもそもLRTって何?
LRTとは何でしょうか。「次世代型路面電車システム」は、路面電車とは何が違うのでしょうか。
LRTは「Light Rail Transit」の頭文字をとったもの。国土交通省のWebページ (https://www.mlit.go.jp/road/sisaku/lrt/lrt_index.html) によると、「低床式車両(LRV)の活用や軌道・電停の改良による乗降の容易性、定時性、速達性、快適性などの面で優れた特徴を有する軌道系交通システムのこと」としています。
路面電車で超低床の車両を走らせるだけでは、LRTとは言えません。「まち」をどうデザインするかも問われるのがLRTと考えます。

前出の国交省Webページでは、国内のLRTとして宇都宮市と富山市を挙げています。
宇都宮市は、隣接する芳賀町との間で線路などを新たに設け、2023年8月に運行を開始した宇都宮ライトレール。富山市は、旧JR富山港線を2006年に転換した富山ライトレール(2020年から富山地方鉄道富山港線)や2009年に開業した富山都心線などが挙げられます。
■■■ 尾を引く20年前の廃線

岐阜県のLRT導入検討着手を受け、「みのひだ乗り物探訪」のX(旧Twitter)のアカウントでアンケートを行いました。X(旧Twitter)の機能を使ったもので、世論調査とは異なります。7月4日午後4時から7日午後1時にかけて、4択で岐阜のLRT構想の是非について聞きました。
258の投票がありました。「ぜひ実現して欲しい」が4割弱。次いで「実現には懐疑的だ」が3割ほど。「あれば便利かも」「不要だと思う」が続きました。...