米疾病対策センター(CDC)=米ジョージア州アトランタ(共同)

 【ワシントン共同】米国で今年、1288人のはしか感染者が確認されたことが、疾病対策センター(CDC)の8日時点の集計で分かった。2千人以上が確認された1992年以来、過去33年で最多。米国では世界保健機関(WHO)が2000年、はしかの根絶宣言を出したが、CDCは「根絶状態はほぼ失われた」としている。

 今年は日本でも昨年1年間の感染者45人を既に上回るなど、世界各地で流行が確認されている。

 CDCによると、全米の38州で感染者と3人の死亡を確認。感染者の9割超がワクチン未接種だ。流行防止には地域住民の95%以上が接種している必要があるとされるが、直近はこれを下回っている。

 感染者数はテキサス州が最多。AP通信によると、キリスト教の一派、メノナイトの信者が多く住む地域は接種率が低く、感染拡大の起点となった。全米の1週間当たりの感染者数は3月下旬から4月上旬にかけてがピークで、その後は低下傾向となっている。

 はしかは感染力が非常に高く、感染すると発熱や発疹のほか、脳炎を起こすこともある。