【キーウ共同】国連ウクライナ人権監視団は10日、ロシアの侵攻を受けるウクライナで6月に死傷した民間人が計1575人に上り、過去3年で最多になったと公表した。ロシア軍のミサイルや無人機の飛来数が昨年6月の10倍を超え、攻撃が激化したことなどが要因。
監視団によると、今年6月の死傷者は2022年5月に次ぐ多さで、232人が死亡、1343人が負傷した。都市部へのミサイルなど長距離攻撃が被害の半数を占め、一度の攻撃で大勢の被害者が出る例が頻発した。
国連によると、今年1〜5月の民間人の死傷者も昨年と比較して47%増加していた。
英誌エコノミストは9日、夏の攻勢が本格化した5月以降、ロシア側の戦死者が約3万1千人に上る可能性があり、1日当たりの死者数が22年の侵攻開始以来最多の水準になったと報じた。これまでにロシア側計19万〜35万人が死亡したと推計している。
同誌は、ロシアが一方的に併合したウクライナ東部・南部4州を完全制圧するには、進軍を早めても29年2月までかかるとも指摘した。