TBS本社=4月、東京都港区

 放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会は11日、TBS系のバラエティー番組「熱狂マニアさん!」で全編を通し家具大手「ニトリ」の商品を紹介した放送を巡り「番組と広告の識別に対する認識や検討が甘かった」などとし、放送倫理違反があったとの意見を公表した。1社のみの商品を紹介し、企業の広告放送との誤解を招く内容と判断した。

 同様の番組を放送するテレビ局が「数多く存在する」と指摘。「各局の『横並び』が、番組と広告の境目に対する放送局の関心を低下させてきたのではないか。公共性の視点を忘れないでほしい」と警鐘を鳴らした。

 小町谷育子委員長は記者会見で「委員会の決定は放送業界全体に向けて出している。自局で問題がないか改めて振り返ってほしい」と述べた。

 意見書によると、問題となったのは昨年10月19日放送の2時間番組。調理や収納グッズなど計47点のニトリ商品の機能やメリットを説明し、価格や「一部離島では別途手数料」などの情報も示していた。番組を放送する間には、本編と直結するか近接する形で同社のCMが流れた。