東京拘置所(東京都葛飾区)で2024年度、現役記者が受刑者に記事の書き方を指導する講座が初めて開かれた。初対面の人に質問を重ねて話を聞き出し、記事にまとめるまでを経験。新たな学びのスタイルを提供し、出所後の円滑な社会復帰に生かしてもらう。法務省は今後も同様の取り組みを続けたい考えだ。
講座は共同通信の記者が担った。更生に重きを置く「拘禁刑」が25年6月に導入されるのを前に、法務省が受刑者教育の在り方を検討する中で開催が決定。24年8月〜25年1月に6回開かれた。
30〜40代の男性受刑者4人が参加し、最初は新聞紙面の構成などについて学んだ。その後、出所者を雇用する「協力雇用主」を務める建設会社社長高橋政志さん(55)を招き、記者会見形式でインタビューを行った。
最初は互いにぎこちない様子だったが、次第に雰囲気がほぐれていった。受刑者からは「出所後、気を付けるべきことは」「罪を犯した人を雇うことで、不利益を被ったことはあるか」との質問も。インタビューは約1時間に及んだ。