知床観光船沈没事故の洋上慰霊を前に、思いを語る小柳宝大さんの父親(左)と7歳だった息子と元妻が乗船していた帯広市の男性=12日午後、北海道斜里町

 北海道・知床半島沖で2022年4月、乗客乗員計26人が死亡、行方不明となった観光船沈没事故で、行方不明者の家族2人が12日、現場海域での洋上慰霊を前に、港がある斜里町で報道陣の取材に応じ「魂を連れて帰りたい」などと思いを語った。13日に現場に向けて出港する予定。

 関係者によると、乗客家族らがまとまって洋上慰霊をするのは初めて。福岡県久留米市出身の小柳宝大さん=当時(34)=の父親は以前、民間の観光船に乗り、沈没現場付近で他の乗客を気にしながら献花をしたことがあるという。「今回は他の乗客のことを気にせず、思い切り息子の名前を呼べる。『来たよ』と言いたい」と話した。