税関のマスコットキャラクター「カスタム君」。かわいらしいフォルムとつぶらな瞳で人気だが、なぜか、全国に九つある税関で色や形が微妙に違うという。模倣品取り締まりを担う税関だけに、SNSで「コピー商品では」と指摘されることも。関係者らの証言を基に、キャラ誕生の真相に迫った。
身長180センチ、体重90キロ、1993年生まれ。モデルは麻薬探知犬で、丸々とした黄色い体が愛らしい。財務省関税局総務課の広報係長だった酒井隆尋さん(63)によると、税関の広報ビデオのアイデアを企業から募ったところ、目に留まったのがカスタム君だった。「親しみやすく、最もふさわしかった」と振り返る。
翌年、横浜税関から声がかかったことを皮切りに、イベントなどで全国を飛び回るようになったという。当初は広報ビデオ用だったため、用意したのは1体だけだった。
制作会社から著作権を譲り受けて各税関でつくり始めたが、設計図がなかったため、映像などを頼りに準備することに。九つの税関が異なった業者に制作を委託したことから、色や形が違うカスタム君が誕生することになった。