熊野那智大社で開かれた例大祭「那智の扇祭り」。白装束の氏子らが燃えさかる大たいまつを担ぎ練り歩いた=14日午後、和歌山県那智勝浦町

 和歌山県那智勝浦町の世界遺産・熊野那智大社で14日、例大祭「那智の扇祭り」が開かれた。那智の滝前で白装束の氏子たちが「ハーリャ、ハーリャ」と声を上げながら大たいまつを担ぎ、炎の乱舞を繰り広げた。大勢の参拝客が火祭りとも呼ばれる勇壮な神事に見入った。

 神々が年に1度、12体の扇みこしに乗りご神体の滝の前に戻るとされる神事。重さ30〜50キロのたいまつ12本を、氏子たちが1人1本ずつ担いだ。

 神戸市から夫婦で訪れた渡辺東さん(82)は「雨の中でも炎がすごかった。感動した」。妻の三代さん(78)は「大たいまつに触れて感激した」と喜んでいた。