ヒグマに荒らされたとみられるスーパーのごみ置き場=15日午前、北海道福島町
 クマ

 新聞配達中の男性がヒグマに襲われて死亡する事故が起きた北海道福島町で、ヒグマがごみ箱をあさったとの通報が相次いでいる。現場の痕跡を調査している北海道立総合研究機構は「人間の食べ物の味を覚え、執着している可能性がある」と分析。道警松前署は15日、パトロール中の警察官が14日深夜に町内のスーパー敷地内の物置が破壊されているのを発見したと発表した。中の生ごみが荒らされ、クマによる被害とみて調べる。

 署によると、物置は金属製で、3棟並んでいるうちの1棟の扉が内側に押し込まれるように壊され、周囲に生ごみが散乱していた。別の1棟も14日朝に同様に荒らされているのが見つかった。15日未明には、体長約1・5メートルのクマが付近の町道を横切る姿が目撃された。道警や猟友会は警戒と男性を襲撃した個体の捜索を続ける。

 道総研は14日、襲撃現場と遺体発見場所に加え、町内でヒグマが現れた痕跡のある場所を調査。確認できた足跡などから、少なくとも2頭のヒグマが出没していたと明らかにした。