長崎地裁

 長崎県大村市で2009年、同居する40代女性を殺害したとして、殺人罪に問われた馬場恒典被告(74)の裁判員裁判論告求刑公判が15日、長崎地裁(太田寅彦裁判長)で開かれ、検察側は懲役18年を求刑した。被告側は殺害した事実も動機もないとして無罪を訴えている。判決は9月4日。

 女性の遺体は18年5月、長崎県諫早市の倉庫にあった木箱から白骨化した状態で見つかった。

 検察側は論告で、遺体周辺から発見されたシーツなどの生活用品はいずれも被告と結び付きがあり「偶然の一致とは説明し難い」と指摘。知人や女性の両親に「(女性は)病院に入院した」と虚偽の説明をするなど、不審な言動が複数あるとして「捜査が及ぶことを恐れて罪証隠滅工作をした」と主張した。

 先月の公判に証人出廷した被告の知人は、09年5月に被告宅から倉庫まで毛布に包まれた物を被告と共に運んだと証言。「遺体ではないか(と思った)」と述べていた。