最高裁は15日、1948〜2016年に最高裁大法廷で審理され、裁判所のウェブサイトに掲載された判決と決定の計855件(民事255件、刑事600件)で、原本との違いが2568カ所あったとする報告書を公表した。人名や数字の相違、誤字脱字などが大半で、意味内容に大きな影響のある誤りはなかったと説明している。

 報告書によると、誤りは古い年代に集中しており、01年以降はほとんどなかった。内訳は句読点や人名などの形式的な誤りが887カ所、誤字脱字などが1310カ所、意味内容に大きな影響のないものが371カ所としている。

 最高裁は1997年からサイトで判決を掲載。公開範囲を広げるため外部の業者に委託した際、縦書きや手書きの原本をスキャンしてデータ化する精度が高くなかったことを原因の可能性に挙げた。

 最高裁事務総局は「当時のチェック体制が必ずしも十分ではなかった。信頼を損ないかねないものであり、重く受け止めている」とした。作業量が膨大だなどとして、小法廷については調査せず、誤りが発覚すればその都度対応するという。