欧米などで乱用が問題になっている合成麻薬フェンタニルに関し、福岡資麿厚生労働相は15日の記者会見で、昨年までの6年間に税関でフェンタニルの密輸が摘発された例はないとして「現時点では欧米のような乱用拡大の実態はない」と述べた。各国と連携し、密輸などの不正取引の取り締まり徹底を今後も継続する方針を示した。

 フェンタニルは、がん患者の痛みを緩和させるなど医療用麻薬として強い鎮痛効果がある。厚労省は、原料物質を取り扱う小売業者らの指導を徹底するよう6月30日付で全国に通知を出した。