街頭演説する自民党総裁の石破首相=12日、名古屋市

 報道各社の参院選情勢調査で与党の苦戦が伝えられる中、米中韓3カ国の在日大使館は選挙後の石破茂首相の進退に注目している。米国は、首相が退陣すれば関税交渉に悪影響が出ると分析。中韓両国は関係改善の流れが止まるのではないかと心配する。外国人政策への関心の高まりから、排外主義拡大への懸念も出ている。

 トランプ米政権との関税交渉は参院選直後からヤマ場を迎える可能性があり、米大使館筋は「政権が安定しなければ交渉は進まないだろう」と語る。

 韓国の李在明大統領は先月、首相と日韓の安定的発展を目指す方針を確認。早期の来日にも意欲を示す。安全保障や経済分野での協力を重視しているためで、韓国大使館幹部は「首相が辞任し、対韓強硬派の政権が誕生しないことを祈るばかりだ」と強調した。

 中国は、米国の高関税措置に苦慮。日米同盟にくさびを打とうと対日関係の好転を図る。先月には、日本産水産物の輸入を再開すると発表した。首相も関税交渉に関し「なめられてたまるか」と口にする。中国大使館筋は「できれば石破政権が継続してほしい」と打ち明ける。