国が医療機関などに無償提供するために購入した新型コロナウイルス感染症の飲み薬約250万人分が、使用期限を迎え、昨年度に廃棄されたことが16日、厚生労働省への取材で分かった。購入額は明らかにしていないが、現在の薬価で成人軽症患者の標準的な使用量を基に計算すると約2400億円分に相当する。
飲み薬は、流行期に国が緊急的に購入し、無償提供して治療に使った。だがメーカーによる薬の一般流通が始まった上、2023年5月に新型コロナの感染症法上の位置付けが5類へ移行したのに伴って提供できなくなり、大部分が未使用のまま保管されていた。