気象庁は16日、東海沖海底にある南海トラフ地震に備えた地震観測システムについて、海底津波計の観測データが使えなくなったと発表した。付近で津波が発生した場合、津波を観測できるまでに最大で約7分の遅れが出る恐れがある。復旧の見通しは立っていない。

 海底で観測したデータを、ケーブルで静岡県御前崎市の陸上の観測所に送る仕組み。沖合3カ所の海底津波計データに正確な時刻が付けられなくなり、15日午後3時ごろから使えなくなった。

 地震計のデータにも13日から障害が起き、緊急地震速報が平常時に比べて最大で12秒程度遅くなる可能性がある。気象庁はデータに時刻を付与する装置に異常があるとみている。